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。*゜ミルクブラウン色のキモチ。゜*。

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日々生活の中で、想うキモチを書き綴っていきたいな・・・♪

sakuya小説 Vol 3

勿忘草色の空の下で… ~forget-me-not blue~


3話  引越し当日

AM9:50
数人の足音が近づいて来て ピンポ~ン・・・と玄関のチャイム音が鳴り響く。
紗那と薫子は互いに顔見合わせ 「は~~~いっ♪」って言いながら玄関に飛び出す。
「おはようございます!! クマ便引越しセンターです!!」
「はい♪今日はお世話になります。藤森デス。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。担当の山崎・川辺・篠崎です。よろしく!」
  (ふ~~む。。。なかなかの粒ぞろいチームでんな....)薫子&紗那の暗黙の見解。
「早速ですが、荷物箱に番号を書いてありますので 引越し先の部屋に番号毎に入れて
 貰っていいですか?これが部屋の配置図です。大方荷物は割り振って置いてますから」
「了解デス! しかし...藤森さん慣れてらしゃいますね...
 ここまでしてもらっていると...僕らも作業し易くて助かります!
 じゃぁ 早速運び出しますね。」 
頭かきかき紗那は 「よろしくおねがいしますね。」って営業スマイル。
作業開始♪

「ちょっと...紗那...あんた変わり身早すぎ~!!」
「あはっ..すまんね。これ営業だし...薫だってそうじゃん♪
 おや?今日はいつになく お色気全開ですかい?」
にんまり笑いながら 薫子の胸を つんつんと突いておどける紗那に...
「///// 紗那ぁ~~~!!! 覚えてなさいよォ~~~!!!」
作業中の耳には届かないくらいの二人の会話。

運び出し作業が始まって 山積みのダンボール箱が次々消えていく...。
紗那の場合 日用雑貨類はほとんど無くて本ばかり...
今まで使っていたベッド&冷蔵庫は既にリサイクルに出していて 小さな1Kの部屋は
大きい物は無いので 運び出し作業もあっという間に終わってしまった。
運び出し終えた部屋を 掃除機かけ終えて 空っぽのなった部屋を二人で見渡す。

荷物運び出しを終えて積み込み作業を終えてやって来た 担当の山崎が
「これで完了ですか?積み残しは無いですか?」と声をかけて来た。
「ハイ♪ 無いです♪ありがとうございます。あっという間でしたね。
 ちょっと早めにお昼とられますか? これ気持ちしか入ってませんが みなさんで
 お昼のたしにして使ってください♪」 にっこり笑顔で封筒を山崎に手渡した。
「すいません。いいんですか?」 年齢からして思っても見なかった出来事に恐縮しながら
紗那と薫子を見る山崎...。紗那はすかさず
「あの午後の予定は 少し早めの変更になりますか?こちらも予定を早めますので
 転居先の到着時間決めましょう♪」
すっかりいつもの仕事ペースの紗那に 少々呆れる薫。
「そうですね。では30分予定より早めてよろしいですか?」
「はい♪かまいませんよ♪では あっちで到着おまちしていますね。荷物よろしく♪」
紗那の態度に くすくす笑いながら了解した山崎は部屋を後にした。 


再び空っぽになった部屋を見渡しながら二人はつぶやきはじめた。
「この部屋 学生の時からだから5年かぁ...いろんな思い出詰まってるよね。」
「そうだね...でも今日でおしまい♪次の幸せ見つけにスタートよ♪」
「紗那....もうふっきれたの??無理してんじゃないの???」
「あはっ...薫ねーさんには参るね...ぼちぼちってとこかな...
 でも前向きになったでしょう?あの頃の無気力な私からすれば...」
どこか しょんぼり...ため息まじりの紗那に さりげなく気遣いながら
「あんたがそう言うなら...少しはマシってことね。次の新居で気持ち切り替えて
 楽しまなきゃね♪」
「しばらく...恋はいいや。自分立て直さないと引きずりそうだし...
 恋する相手に元彼重ねちゃ悪いしね。」ペロッと舌出しながらハニカミ笑いの紗那。
「ふ~ん...。でもあんまりのんびりできるお歳でもないし 婚期逃して行かず後家の
 運命たどりそうだから紗那は...」 とちょっとはっぱをかけてみる薫だが...
「おいお~い♪薫ねーさんこそ よりどりみどりの殿方選ばずに遊んでていいんですかい?」
意味ありげに笑いながらイヤミで返す紗那。
「はぁ~~~ん...恋多き乙女にぬかす言葉ですか?只今未来の旦那候補見極め中って
 言ってほしいなぁ。紗那にはお手上げよ...んじゃぁ 行きますか新居へ...♪」
ポコッと後ろから肩叩いて抱き寄せながら 笑顔で部屋を出る。

玄関から部屋を見渡して ガチャン!!!(バイ...今日までの私...)心でつぶやきながら
ドアに鍵かけて 歩き出す....。
「薫。先に車で待っていて。鍵管理人さんに返して来るから...」
「うん♪行っといで♪車出して待って居るよ♪手荷物も持ってくよ♪」
「サンキュー♪じゃあコレだけヨロシク♪」駆け出して行く紗那を後に
薫は愛車の真っ赤なFWGを来客用駐車場から玄関横に車を止めて紗那を待つ。

仲良い老夫婦の管理人に別れを惜しまれながら お世話になったお礼と鍵を渡し
玄関までの見送りを丁寧に断ってマンション玄関に出た紗那は薫の車の助手席に
乗り込んだ。
「お待たせ~♪さっ行こうか♪薫。運転ヨロシク♪」薫の助手席に乗りなれた紗那は
シートベルトを締めて薫に笑顔で声賭けする。
「OK♪では行きますか...」 車を出す薫子。
進み始めてサイドミラーから遠のく学生時代から住んで居たマンションを眺めつつ
紗那は心の中で 今までの自分にピリオドを打った。

Bye Bye....今までのワタシ...ありがとう......。


                                       つづく...

 
※引越すまでに書き過ぎでしたかね...(苦笑)いよいよ新居に入ります♪
  お楽しみに...

                                    by sakuya

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by sarasa618 | 2007-07-16 13:02 | 。*゜story゜*。

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